適正運賃シミュレーターの導入支援を行いました
関東エース様にて、適正運賃シミュレーターの導入支援を行いました。新規案件の受注判断や既存コースの原価把握において、数字で考える重要性を改めて感じた内容です。

適正運賃シミュレーターの導入支援を行いました|原価を数字で考えるきっかけづくり
運送会社の運賃判断では、「この仕事は受けても大丈夫なのか」「今の運賃で本当に利益が残っているのか」を、感覚だけで判断するのは難しくなっています。
特に、新規案件を取りに行く営業の方と、既存コースを管理する所長の方では、見るべき数字や判断の場面が少し変わります。
今回は、関東エース様にて、所長・各営業所の皆さまにお集まりいただき、適正運賃シミュレーターの導入支援を行いました。

結論
今回の導入支援で改めて感じたのは、運送会社にとって「原価を数字で見る習慣」を持つことが非常に重要だということです。
新規コースを受ける前に採算を確認することも、既存コースが黒字なのか赤字なのかを把握することも、どちらも会社の利益を守るうえで欠かせません。
適正運賃シミュレーターは、単に運賃を計算するためのツールではなく、営業担当者や所長が「この仕事はいくらで受けるべきか」「どこに原価がかかっているのか」を考えるための判断材料になります。
関東エース様で導入支援を行いました
本日は、関東エース様にて、適正運賃シミュレーターの導入支援を行いました。
参加者は全部で8名でした。
所長の皆さま、営業に関わる方々にお集まりいただき、実際の運用を想定しながら、使い方や原価の考え方を確認していきました。
特に印象的だったのは、皆さまが原価の考え方に対して非常に真剣に取り組まれていたことです。
運送業では、日々の配車、車両管理、ドライバー管理、荷主対応など、現場で見るべきことが多くあります。
その中で、コースごとの原価や利益まで細かく見ることは簡単ではありません。
だからこそ、数字を見ながら判断できる仕組みを現場に落とし込むことが重要だと感じました。
営業担当者と所長では、見るべきポイントが違う
今回の導入支援では、大きく2つのグループに分けて説明しました。
1つ目は、新規コースを取りに行く営業の方たちです。
営業の方にとって重要なのは、新しい案件の話が来たときに、その運賃で受けてよいのかを素早く判断することです。
例えば、新規案件の依頼が来たときに、
- 走行距離はどれくらいか
- 拘束時間はどれくらいか
- 高速代は発生するのか
- 燃料費はどれくらいかかるのか
- ドライバー人件費はどれくらい見るべきか
- 車両固定費をどう考えるか
こういった情報をもとに、案件ごとの原価と利益を確認します。
運賃だけを見ると良さそうに見える案件でも、実際には拘束時間が長かったり、高速代や燃料費が大きかったりすると、利益が残りにくい場合があります。
逆に、運賃が高く見えなくても、条件によっては採算が合うケースもあります。
その判断を、感覚ではなく数字で確認できることが大切です。
既存コースは「今の運賃で本当に利益が出ているか」を見る
2つ目は、各営業所を管理する所長の方たちです。
所長の方にとって重要なのは、既存コースが黒字なのか赤字なのかを把握することです。
運送会社では、昔から続いている仕事ほど、運賃や条件がそのままになっていることがあります。
しかし、燃料費、人件費、車両費、修繕費などは年々変わります。
そのため、以前は問題なかったコースでも、現在の原価で見ると利益が残りにくくなっている可能性があります。
既存コースを見るときは、
- 売上はいくらか
- 実際の拘束時間はどれくらいか
- 燃料費はどれくらいか
- 高速代はどれくらいか
- 車両の固定費をどう見るか
- ドライバー人件費をどう考えるか
こういった数字を整理していく必要があります。
所長の方が自分の営業所の原価を把握できるようになると、赤字コースの見直しや、荷主への説明準備もしやすくなります。
車両登録は「車種単位」と「車番単位」の両方で考えられる
今回の説明では、車両の登録方法についても確認しました。
車両原価を考えるときには、大きく2つの考え方があります。
1つ目は、車種ごとの平均値で考える方法です。
例えば、「10トン平ボディ」という車種で登録し、その車種全体の平均的な原価を使う考え方です。
この方法は、細かい車番ごとの管理までは難しい場合でも、まず全体感をつかみやすいというメリットがあります。
2つ目は、車番ごとに細かく登録する方法です。
車両ごとに原価を見たい場合は、車番まで入力し、一台一台の原価を把握していきます。
この方法では、より実態に近い原価を見やすくなります。
ただし、車両ごとに情報を整備する必要があるため、最初の入力や運用の手間は増えます。
そのため、最初から完璧にやろうとするよりも、会社の管理状況に合わせて、車種単位から始めるのか、車番単位まで管理するのかを決めることが重要です。
原価を考えることは、現場に負担を増やすためではない
原価管理というと、現場からすると「入力作業が増える」「管理が細かくなる」という印象を持たれることもあります。
しかし、本来の目的は、現場の負担を増やすことではありません。
むしろ、無理な運賃で仕事を受け続けないために、数字で判断できる状態を作ることが目的です。
運送会社では、現場がどれだけ頑張っても、そもそもの運賃設計が合っていなければ利益が残りにくくなります。
だからこそ、営業担当者や所長が同じ考え方で原価を見られるようにすることが大切です。
林社長の考えに共感したこと
今回の導入支援の場は、関東エースの林社長のご意向で設けていただきました。
林社長の思いとしては、所長一人ひとりに対して、原価に対する考え方を持ってほしいということでした。
単に「この数字を入力してください」という話ではなく、
「こういう考え方をするんだよ」
という視点を、各所長が持てるようにしたい。
そして、みんなが適正な運賃、適正な原価を把握できるようにしていきたい。
そのような思いがあり、今回の導入支援につながりました。
私自身も、運送会社の支援をするうえで、この考え方は非常に重要だと感じています。
システムを入れるだけでは、会社の数字は良くなりません。
大切なのは、システムを使う人たちが、数字を見て判断できるようになることです。
Ai.SoLinkとして考えていること
Ai.SoLinkでは、運送会社の原価管理や運賃判断は、現場の実態に合わせて進めるべきだと考えています。
どれだけ高機能なシステムでも、現場で使われなければ意味がありません。
また、どれだけ細かく計算できても、入力や管理が大変すぎると続きません。
そのため、まずは新規案件の受注判断や、既存コースの採算確認など、実務で使いやすい場面から始めることが重要です。
今回のように、営業担当者と所長が同じ場で原価の考え方を共有できることは、会社全体で数字を見る文化を作るうえでも大きな一歩になると感じました。
関連するサービス
新規案件や既存コースの運賃判断を行う場合、Ai.SoLinkでは適正運賃シミュレーターを提供しています。
距離、拘束時間、高速代、人件費、燃料費、車両固定費などを入力することで、コースの原価や必要な運賃の目安を確認できます。
また、赤字や薄利の車両やコースとその理由を見つけたい場合、Ai.SoLinkでは運送採算カルテを提供しています。
車両・ドライバー・コースごとの売上、原価、粗利、利益率を整理し、どのコースから改善・運賃交渉を検討すべきかを可視化します。
ご相談をご希望の場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
よくある質問
Q. 適正運賃シミュレーターは新規案件だけに使うものですか?
A. 新規案件の受注判断にも使えますが、既存コースの採算確認にも活用できます。新しい案件では「この運賃で受けてよいか」を確認し、既存コースでは「今の運賃で利益が残っているか」を確認する使い方ができます。
Q. 車両原価は車番ごとに登録しないといけませんか?
A. 必ず車番ごとに登録しなければならないわけではありません。まずは「10トン平ボディ」など車種単位の平均値で始める方法もあります。より細かく管理したい場合は、車番ごとに原価を登録することで、実態に近い採算確認がしやすくなります。
Q. 原価を細かく見ると、現場の入力負担が増えませんか?
A. 入力項目を増やしすぎると、運用が続きにくくなる可能性があります。そのため、最初から完璧を目指すのではなく、距離、拘束時間、高速代、人件費、燃料費など、判断に必要な項目から始めることが現実的です。
Q. 所長や営業担当者が原価を理解するメリットは何ですか?
A. 新規案件を受けるときや既存コースを見直すときに、感覚ではなく数字をもとに判断しやすくなります。また、荷主への説明や社内での改善判断にもつなげやすくなります。
まとめ
今回、関東エース様で適正運賃シミュレーターの導入支援を行い、改めて「原価を数字で考えること」の大切さを感じました。
運送会社にとって、運賃は売上の話であると同時に、会社の利益を守るための重要な判断材料です。
新規案件を取りに行く営業担当者も、既存コースを管理する所長も、それぞれの立場で原価を見られるようになることで、受注判断や運賃見直しの精度は上がっていきます。
Ai.SoLinkとしても、単にシステムを提供するだけでなく、現場で数字を使って判断できる状態を作るところまで支援していきたいと考えています。
